【コラム】ラスベガスのマーケティング「マネーマジック」

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ラスベガスにおけるカジノのマーケティング戦略「マネーマジック」

年間4,000万人以上の観光客が訪れるラスベガスでは、現在30軒を超える大型リゾートホテルが点在していて、今もなお増え続けています。

ラスベガスでは、ほとんどのホテルがカジノを1階エントランスに配置しています。そのため、どのエントランスからホテルへ入ろうと必ず始めにカジノを通る仕組みになっています。ホテルのチェックイン、レストランやショーに行くのにもカジノを通り抜けるように設計されています。

 

こうして、宿泊客や観光客を自然とカジノへ足を運ばせるための緻密に計算された仕掛けが色んな形で施されています。

つまり、常にゲストにカジノの賑わいを感じさせることでギャンブル欲を掻き立てている訳です。

 

例えば、レストラン、

通常の観光地では、見晴らしのいい最上階に配置されるレストランもラスベガスでは基本的にはカジノフロアに集中しています。もしもレストランが満席ならば、そのわずかな待ち時間にもカジノへと誘い込むように計算されています。また、フロントロビーにソファや椅子がないのも同様に待ち合わせはカジノでという訳です。

 

客室サービスでも、

客室についても、部屋でゆっくり時間を過ごさせないための工夫があります。例えば、どんなに景色が美しい部屋でも基本的にはバルコニーがなく、また室内にはミニバーやコーヒーメーカーも置かれていません。なぜなら、それらは全てカジノにあって、ドリンクやアルコールも全て無料となっているからです。
また、読むのに時間のかかる新聞サービスも自分から注文しない限り届くことはありません。

 

スロットの配置

スロットマシンの配置についても、日本のパチンコ店のようにきれいに整列されていません。どこからでもスロットの画面が見えるように向きがランダムに置かれています。こうして自然とマシンへ誘導する仕掛けとなっているのです。

また、トイレの近くにスロットマシンを置いてあるのも、友人やお連れのトイレを待つちょっとした時間にもスロットで遊んでもらおうと誘惑しているのです。さらにスロットマシンのあの電子音も人を惹きつける心地よい音程に計算されているそうです。

 

時 計

ラスベガスのホテルには客室以外に一切時計が置かれていません。表向きには「お客様に時間を忘れて心から滞在を楽しんでもらいたい。」 というホテル側の配慮ですが、返せば「時間を忘れてカジノで遊んでもらいたい。」というマネーマジックがあるのです。

 

実際にラスベガスの観光客で、初めからギャンブルが目的という人は10%にも満たないそうで、結果的にカジノをやったという人は80%以上にもなるそうです。

つまり、無意識にカジノへと誘導するカジノの仕掛けが見事に成功しているという訳です。

 

(UC RESORT AGENCY)

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