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大阪夢洲IR構想、交通インフラ整備の分担に課題

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大阪がIR開発候補地に用意している夢洲の交通インフラ整備の費用分担についての摩擦が報じられている。大阪府市は、大阪メトロ(地下鉄)の延伸と夢洲新駅の建設費に約540億円かかるとし、そのうちの約200億円をIR開発運営事業者に負担させたい思惑だ。

これに対して、最有力大手IR企業のラスベガスサンズ社は「開発資金には限界があるため公共インフラは公費でまかなわれるべき」と牽制した。2014年に同社会長のアデルソン氏は、日本の大都市IRの開発に1兆円の投資を用意していると明言して話題になったが、これには「入場制限がなければ…」と前置きしていることを忘れてはいけない。

 

IR事業者VS大阪府市、誘致めぐってバトル勃発 交通整備費負担めぐり

 政府が先月下旬、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施(整備)法案を閣議決定したことを受け、早くも誘致を目指す大阪府・市側とIR事業者側の綱引きが始まっている。課題となっている人工島・夢(ゆめ)洲(しま)(大阪市此花区)への交通アクセス向上のため、府市は地下鉄の延伸や夢洲へ渡る橋の道路の拡幅を計画。その工事費用の一部200億円を、受益者負担として事業者に求める方針なのだが、事業者側はインフラ整備は「公の責任」と牽制(けんせい)しているためだ。府市の狙い通りに事が運ぶのか、成り行きが注目される。(地主明世)

完成すれば約390ヘクタールの人工島となる夢洲。IR用地70ヘクタールに、核となるカジノのほか、ホテルや商業施設、国際会議・展示施設などを誘致することになる。

大阪市中心部から夢洲に行くには、此花区のもう一つの人工島・舞洲(まいしま)から「夢舞(ゆめまい)大橋」を渡るか、隣の人工島・咲洲(さきしま)(同市住之江区)から「夢咲(ゆめさき)トンネル」を抜けるかに限られる。IRが開業すれば交通量が増えるのは確実で、交通アクセスの向上は誘致を成功させる上で重要な課題だ。

大阪府・市と経済界が交通アクセスの向上計画を記した「夢洲まちづくり構想」によると、道路では夢舞大橋を現在の4車線から6車線に拡幅。一方、鉄道では大阪メトロ中央線を咲洲のコスモスクエア駅から約3キロ延伸し、夢洲の中央部に新設する「夢洲駅」(仮称)と結ぶ。

将来的にはJR桜島線、京阪中之島線を延伸する「北ルート」も開通する青写真を描く。

当面、莫大(ばくだい)な整備費がかかるのは大阪メトロの延伸と夢洲駅の建設工事で、府市は約540億円と試算。このうち、もともとは開発事業者として大阪市が負担するはずだった約200億円について、府市はIR事業者を「鉄道整備の受益者」(吉村洋文市長)とみなして負担を求める方針だ。

松井一郎知事も、IR事業者を選ぶ際には「大阪に投資しようという前向きな姿勢が一番あるところが良い」と強調しており、事実上、大阪メトロの延伸整備費を負担できるかどうかが事業者の選考条件の一つとなっている。

府市の強気な姿勢の背景には、IR先進国のシンガポールで事業者がインフラ整備を担った先例があり、府市部局の担当者も「地元への貢献が求められることは事業者も理解しているはずだ」と自信をみせる。

ただ、IR事業者にとっては大きな負担だ。

シンガポールのIR「マリーナベイ・サンズ」のジョージ・タナシェビッチ社長は「インフラの整備費は、後にシンガポール政府から返却された」と主張。「事業者の予算には限界があり、公共インフラは公の資金でまかなわれるべきだ」と“予防線”を張っている。

(産経新聞)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180506-00000514-san-soci

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