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米シーザースE、日本IRのテーマは「ウェルネス」

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アメリカ・ラスベガスの大手IR企業のシーザース エンターテインメントは、日本でのIRのテーマを「ウェルネス(健康)」に健全志向をアピールした。IR施設の一角に医療ツーリズムを展開し、健康スパや先端医療の充実によって外国人観光客の長期滞在を実現する。カジノの営業活動ではジャンケットを使わずにプレミアムマスのマーケティングを狙う。

また、日本IRへの参画には地元企業とのコンソーシアム次第で1兆円規模の投資も当然としている。

 

米カジノ大手幹部「日本のIR、健康をテーマに」

シーザーズ・エンターテイメントで国際開発を担当するスティーブン・タイト氏米カジノ大手、シーザーズ・エンターテインメントの国際開発部門責任者、スティーブン・タイト氏は26日、日本経済新聞の取材に応じ、大阪・夢洲で計画する統合型リゾート(IR)で「健康」を軸とする構想を明らかにした。借り入れのほか、日本企業とのコンソーシアム(企業連合)で資金を捻出する計画だ。主なやりとりは以下の通り。

 

――IR実施法案が27日に閣議決定する見通しです。

「シーザーズは『責任あるゲーミング』に注力しており、従業員研修などに資金を拠出してきた実績が強みだ。日本に合った依存症対策として関連団体とプログラムを組んだり、依存症発生についてリサーチをしたりするのに2500万円を投資する計画だ。海外の専門家を招きフォーラムを開くなどして対話を促進する」

「5500万人を抱える会員組織も強みだ。日本の訪日外国人客はアジア圏が中心だが、シーザーズの顧客は多くが欧米。アジア以外の客層も開拓したいとの日本政府の方針にも沿っている。ジャンケット(大口顧客のあっせん業者)を使わずに客層を広げられる」

――日本ではどのようなIR開発をめざしますか。

「大阪の心意気を示すウエルネス(健康)と若返りに注目した。東洋の陰陽思想に着想し、シーザーズで得意とするエンタメ分野と精神的な安らぎをともに打ち出したい。『医療ツーリズム』が広がっており、医療業界や財界と対話するなかでも話題になっている。スパや先端技術を使うクリニックを取り入れ、会議場設備を教育に生かすなどすれば、経済的な恩恵の広がりに期待できる。美容整形の技術で知られる韓国のようなイメージだ」

「そのためにも企業との協業が欠かせない。韓国・仁川のIRでは中国の企業、米メリーランドでは北米の複数の企業と共同企業体(JV)を設け事業を進めてきた実績を生かす。エンタメではいくつかの関連企業と可能性を探っているが、健康分野は世界で初めての試みになるだろう。日本企業の地元ならではの知見が必要だ」

――想定する投資規模は。

「投資額は地元企業とのコンソーシアム次第。必要なら投資できる用意はしており、(1兆円投資をうたう)競合と同等規模は当然だ。ただ、小切手の金額ではなく、日本市場にとり何がベストかを重視する。メリットと弊害など社会的懸念も含めて検討する」

「たとえば全体で100億ドル投資するとすれば、半分が借り入れで半分が自己資金になる。そのうちの半分を提携先の日本企業が負担してくれれば、我々が必要な資金は25億ドル。すでに準備はある」

――カジノの面積などの日本の規制内容への見方は。

「IR施設全体の面積に対する割合になったのは望ましい。きちんとした調査のもとで定めたのだろう。様々な懸念に日本政府が対処したからこその前進だ。我々も努力を続ける」

「観光業の振興や雇用の促進を掲げる日本では、売り上げ全体の60~65%をエンタメなど非カジノ部門が占める米ラスベガス型の事業モデルを採用する。ショッピングやレストランなど、家族で楽しめるエンタメを充実させたい」

(日本経済新聞)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29898490W8A420C1LKA000/

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