静岡県の中南部に位置する牧之原市が、今年夏以降に始まるIR誘致の公募に申請の準備を進めていることを明した。静岡県では、これまでに熱海市や静岡市が候補地として挙がったが、正式表明は同市が初めてとなる。
牧之原市を巡っては、先月香港のIR企業と神奈川県の昭徳リナルド株式会社が静岡県内でのIR開発に関する合意契約を結んだ。昭徳リナルドは、同市のIR選出委員会からIR開発の唯一の候補者として認められた。同社は、40万㎡の土地でIR開発を予定している。
牧之原市IR誘致表明 県内初
牧之原市の杉本基久雄市長は31日の定例記者会見で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に名乗りを上げる考えを示した。県内の自治体でIR誘致を正式に表明したのは、同市が初めて。
候補地は東名高速道・相良牧之原インターチェンジから駿河湾に向かって延びる国道473号バイパス沿いで、敷地面積は数十ヘクタール。市は2月から3月にかけて候補地の住民に対する説明会を開くとともに、議会の賛同を得て、今年度中にも県に正式に誘致表明をしたい考えだ。
申請は県が国に行うため、杉本市長は「県と一体的に取り組んでいきたい」としている。
市内では青年会議所や商工会などの有志メンバーが昨年11月、IR誘致促進委員会を結成し、市に要望書を提出していた。
市によると、カジノ経営で実績がある複数の海外の事業者が関心を示しており、1社は同市に絞って検討しているという。