現在のIR実施法案に盛り込まれるカジノフロア面積の上限設定に対する懸念をよく目にします。上限15,000㎡という数値は正にシンガポールを参考にしたもの。しかし、この15,000㎡はゲームテーブルやスロットマシンを配置するゲーミングエリアの面積であり、通路やケージなどを含む全体的なカジノフロアとしては3万㎡を軽く超えるものを想定されています。これは世界最大規模のベネチアンマカオに次ぐ広さとなります。つまり、政府は世界最大級を認めています。
米カジノ王、日本のIR素案を批判 面積上限設定に難色
米カジノ運営大手ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長が1日、大阪府庁を訪れ、カジノやホテルなどからなる統合型リゾート(IR)の制度設計について、政府の有識者会議がまとめた素案を批判し、「ベストなIRがつくれない」と報道陣に述べた。一方で、内容を改めれば「100億ドル(約1・1兆円)ぐらい投資できる」と述べ、見直しを促した。
アデルソン氏は米国やシンガポールなどでIRを運営し、「カジノ王」の異名を持つ。この日、大阪へのIR誘致をめざす松井一郎知事と吉村洋文大阪市長と非公開で会談した。
有識者会議が7月にまとめた素案では、ギャンブル依存症対策の一環としてカジノ面積の上限設定が盛り込まれ、素案に沿ったカジノ実施法案が秋の臨時国会に提出される見通しだ。アデルソン氏は会談後、上限設定があるとカジノの収益で採算性の低い国際会議場や娯楽施設の運営がまかなえず、40億~50億ドルの投資にとどまると主張。上限がなければ「倍の100億ドルぐらい投資できる」と強調した。(太田成美)