ギャンブル依存症をテーマとしたセミナー「カジノについて本気で考える大会」が大阪・吹田市で開催された。ギャンブル依存症問題を考える会の代表・田中氏は日々ギャンブル依存対策を訴えている。
「カジノでステータス上がった」勘違いを後悔
ギャンブル依存症と、その対策をテーマにした集会「カジノについて本気で考える大会」が8日、大阪府吹田市内で開かれ、約200人が参加して依存症の当事者や家族らの体験談に耳を傾けた。
会場では、依存症からの回復施設に入る男性(32)が違法カジノ店に出入りし、ギャンブルに溺れていった過去を打ち明け、「カジノに行くと社会的なステータスが上がったと勘違いし、病気という認識もなく、はまっていった」と振り返った。借金し、実家から金品を持ち出してつぎ込んでいたといい、「家族を深く傷つけてしまった」と悔やんだ。
清水喜美男・山梨県議は同県甲斐市にある依存症の回復施設「グレイス・ロード」の入所者が、地域との交流を通じて回復を目指している様子を説明した。
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が成立し、大阪府・大阪市が大阪湾の人工島・夢洲にIR誘致を目指す中、公益社団法人・ギャンブル依存症問題を考える会などが企画した。考える会の田中紀子代表と国会議員らによる討論もあり、田中代表は「国はしっかり予算を付け、当事者や家族に意見を聞いて実のある依存症対策を進めてほしい」と訴えた。