マイナンバーでカジノ入場制限 政府、依存症対策案
政府は20日、カジノを中心とする統合型リゾート(IR)に関する政府の有識者会議にカジノの依存症対策案を示した。日本人利用客には入場時にマイナンバーカードの提示を求め、入場回数に上限も設ける。入場料の徴収とあわせてギャンブルにのめり込まないような仕組みを整える。カジノに広がるギャンブル依存への懸念払拭をめざす。
有識者会議の議論を反映し、今秋の臨時国会に提出するIR実施法案に盛り込む。
入場回数の上限は月単位と週単位でそれぞれ設ける方針で、具体的な回数は諸外国の例を参考に詰める。利用客の入場の際にマイナンバーカードの提示を求め、政府のカジノ管理委員会が一元的に利用回数を把握する仕組みを想定する。利用回数が上限を超えた場合には、事業者が入場を断る。
日本人客と日本在住の外国人から入場料を徴収する。シンガポールでは7000~8000円を徴収しており、同国の水準を参考にして決める。徴収した入場料は、地域の発展などの公益目的に活用することを義務付け、周辺住民の理解を促す。
広告の規制も設ける。IR施設の区域外ではカジノに関する看板やポスターなどの広告を原則禁止し、IR区域内でも20歳未満の未成年へのビラ配りや勧誘を禁止する。カジノ事業者にはテレビやインターネットなどでカジノが依存症の副作用を伴う危険性があることを説明するよう義務付ける見込み。
同日の会議では、カジノがマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されないように、未然防止策も議論した。暴力団関係者は入場禁止とするほか、入場時に暴力団員でないことを示してもらう仕組みを導入する。カジノ施設の外にチップなどを持ち出すことも禁止する方向だ。
(元記事)http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H4B_Q7A620C1PP8000/