負の遺産とされてきた大阪・夢洲の改造計画が動き出す。干潟の埋め立てや地下鉄の延伸、新駅となる夢洲駅にはタワービルの建設が計画されている。また、大阪府市は今年の夏頃にIR事業者を絞り込む意向だ。
万博へ夢洲開発本格化=タワービル建設、IR誘致-大阪
2025年国際博覧会(万博)の会場となる大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市此花区)の整備が本格化する。市は22年中の埋め立て造成の完了を目指す。また、大阪メトロは地下鉄の延伸とタワービルの建設を発表した。カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致活動も本格化し、現在は空き地が広がる夢洲が大きくその姿を変えようとしている。
夢洲は広さが約390ヘクタール。コンテナターミナルなどに利用されているが、大部分は雑草が生い茂る空き地で大阪の「負の遺産」(松井一郎知事)ともいわれる。
万博予定地155ヘクタールのうち、30ヘクタールは干潟のような状態だ。大阪市は18年度12月補正予算の136億円で、今年4月にも埋め立て工事に取り掛かる。
交通アクセスでは、24年までに大阪メトロのコスモスクエア駅から夢洲まで延伸する。延伸部分3.2キロメートルのうち、約2.3キロメートルは整備済みだ。残る部分の掘削工事と新駅の整備が必要になる。
タワービルは商業施設などが入る55階建てで新駅に建設し、24年までに開業する計画だ。吉村洋文大阪市長は「これが大阪の活力だ」と歓迎する。
また、IR誘致へ大阪府・市は万博の前年の24年開業を目標に掲げる。近くIR事業者から聞き取りを始め、夏に事業者を絞り込む。国がIR実施法に基づき準備を進めているが、府幹部は「万博前年開業を確実にするため、国に先行する形で動きだす」と話している。(2019/01/06-15:19)
(時事通信)jiji.com/2019010600220