アメリカのIR大手ラスベガスサンズは、大阪へのIR進出に向けて地元企業との共同入札も計画検討していることを明かした。これが具体化すれば大きな方針転換となる。
ラスベガスサンズは、マカオとシンガポールなどのアジア圏にもIRを展開する世界第一位のIRカンパニー。グループの年間売上は、1.4兆円、時価総額5兆円。
米IR大手サンズ、大阪進出へ地元企業と「共同入札」計画
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)運営の米最大手、ラスベガス・サンズで国際開発部門を率いるジョージ・タナシェビッチ氏が20日、大阪市内で産経新聞のインタビューに応じ、大阪府・市によるIR整備事業の受注に向け、地元企業と共同での入札参加を計画していると明らかにした。
タナシェビッチ氏は、共同入札に向け「複数の企業と話し合いを進めている」と説明。「専門性があり、日本での商習慣や文化へのわれわれの理解を深めてくれる企業と協議している。共同で“強力な入札”ができ、成功につなげられる企業だ」と語った。大阪進出が実現すれば、資材調達などで数千社との取引が発生するとの見通しも示した。
ただ共同入札は「最終決定ではない」とも語った。
昨年7月に成立したIR実施法により、国内で最大3カ所のIR整備が認められる。誘致を希望する自治体はIR運営事業者を選定し、その事業者とともに整備計画を策定して、政府の認定を申請する。
大阪府・市のIR誘致では、松井一郎知事が今夏にも運営事業者を選定する考えを明らかにしている。タナシェビッチ氏は「現在最も力を入れているのは大阪」と強調。地元企業とタッグを組むことで地域経済への恩恵をアピールし、受注競争を優位に進める狙いがあるとみられる。
一方でタナシェビッチ氏は、「わが社のビジネスモデルは東京、横浜にも適している」と語り、2都市がIR誘致を決めれば受注を目指す可能性も示唆した。