大阪万博とIR、アジアを視野に「ルックウエスト」
関経連、松本新会長が就任 「ルック・ウエスト」打ち出す
関西経済連合会は29日、大阪市内で定時総会と理事会を開き、3期6年の任期を終えた森詳介会長(76)=関西電力相談役=の後任の第15代会長に、住友電気工業社長の松本正義氏(72)を選出した。松本会長は「東京との比較よりもアジアなど世界との結びつきを強める『ルック・ウエスト』の視点が求められている」と述べ、関西企業の世界展開を支援する姿勢を示した。
JR西日本の真鍋精志会長(63)ら新任4人を含む副会長14人も選ばれ、新体制がスタートした。
松本会長は記者会見で、「関西には強力な地場産業があり、大きく花開いていく地盤がある。特に東南アジアの活力を取り込むべきだ」と強調。「特定の産業に依存せず、キラリと光る多様化した産業群を育てる必要がある」と指摘した。
このほかスポーツ産業の振興にも言及。「スポーツは気持ちを明るく、社会を健やかにする」として、2021年に関西で開催される生涯スポーツの祭典「ワールドマスターズゲームズ」を「何としても成功させたい」と語った。
25年国際博覧会(万博)の大阪誘致については「大阪・関西で開く意義や魅力を世界の多くの人に理解してもらう必要がある」と意欲を示した。大阪府などが誘致を進める、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)には「どうすれば関西の発展に最大の効果をもたらすのか、負の影響を小さくできるかをしっかり考えたい」と話した。
また、副会長の陣容について、松本会長は「非常に影響力のある強力な布陣」と自信をみせた。鉄道会社から3人が入った理由を問われると「鉄道会社が不動産事業を含む多様な分野で蓄積した経験に期待している」と説明した。
JR西が財界の主要ポストに復帰するのは、平成17年に兵庫県尼崎市で発生した福知山線脱線事故以来、12年ぶり。他の副会長とともに会見に同席した真鍋副会長は「安全の問題に取り組みながら、関西のインフラにかかわるプロジェクトに意見を言っていきたい」と語った。
http://www.sankei.com/west/news/170529/wst1705290066-n2.html