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大阪府市のIRアドバイザリー企業に口頭注意

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大阪府市のIR推進局は、先日の大阪・天神祭りで、大阪府市のIR開発のアドバイザリー契約先のPwCコンサルティング社が海外大手IR企業から接待を受けていたとして口頭で注意した。当時、ラスベガス大手のMGMリゾーツ社が水上パレードに奉拝船を出していた。府市とのアドバイザリー契約に抵触することはないが、癒着の誤解を招きかねないとの懸念から。

 

IR委託コンサル社員 米カジノ日本法人から接待

カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に向け、大阪府と大阪市がアドバイスを受けるために契約したコンサルティング会社の社員が、大阪進出を目指す大手IR事業者の招待を受け、25日の天神祭の船上で飲食を共にしていた。府市との契約条項に抵触はしないというが、府市は同日、府職員らと業者の癒着防止に取り組む指針を改正したばかり。府市IR推進局幹部は26日、「誤解を招きかねず、配慮が必要だった」とコンサル側に口頭で注意したという。

 コンサルは「PwCコンサルティング合同会社」(東京都千代田区)。同社の社員は25日にあった天神祭で米カジノ大手のMGMリゾーツ・インターナショナルの日本法人が出した「奉拝船」に乗船。約80人の招待客と共に祭りの打ち上げ花火を観賞し、飲食の提供を受けた。天神祭の関係者によると、船上からの花火を観賞する場合、弁当つきで1人2万円以上するのが一般的だという。

 府市はコンサル会社と今年3月、2021年2月まで委託金約3億7700万円で契約。立地を目指す夢洲(ゆめしま)の開発条件の検討から、IR事業者の選定・契約に関するアドバイスを受けるとしている。

 この業務の公募要領などによると、IR実施法の成立後に府市が指定する日時以降、大阪でIR立地を目指す事業者の社員や協力者になることを禁じている。実施法は今月20日に成立したが、府市はコンサル側にこの通知をしていない。

 コンサル側は取材に飲食を認めた上で「契約には抵触していないが、配慮は必要だった。名刺交換はしたが、仕事の話はしていない」と話した。誘致を担当する府市共同部署のIR推進局は「制限がかかっておらず、問題はない」とする一方、「誤解を生みかねない行為であり、節度をもってほしい。通知の時期はめどが立っていないが、急いで検討したい」と答えた。

 IR事情に詳しく、法案審議で与党側の推薦で国会に出席した大阪商業大の美原融教授は「一種の接待と言え好ましくない。コンサル会社は公募に影響を与えうる立場におり、委託には公金が入っていることを踏まえれば招待に応じるべきではない」と話している。

【藤顕一郎】

(毎日新聞)mainichi.jp/articles/20180727

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