大阪商工会議所は、大阪・夢洲にIR誘致が成功した際に事業者から納付される税収の一部を「人材育成」や「中小企業振興」への使途に分配されるよう要望した。大阪府に収められるカジノ納付金は年間数百億円になる。
大阪IRの成功には行政と財界の協力は不可欠で、大阪商工会議所はこれまでIR誘致に消極的であった。大阪商工会議所は、関西経済同友会と関西経済連合会と並ぶ関西経済3団体の一つ。
地元商議所も推進に転換 万博決定でカジノも加速?
大阪商工会議所は12日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す大阪府・市に対する要望書を発表した。IRの実現を前提に、大阪府などがIR事業者から受け取る納付金の一部を、中小企業振興や人材育成のために活用するよう求めている。
関西経済連合会などと比べ中小企業の会員も多い大阪商工会議所は、IR誘致に慎重な姿勢だった。だが、同じ夢洲地区で2025年万博の開催が決まったことから、「はっきりと推進の姿勢を打ち出した」(幹部)ものだという。
計画づくりや事業者選定などを担う法定協議会に関西の経済団体を参加させることや、選定に関する書類の公開なども求めた。
大商の福島伸一・ツーリズム振興委員長(大阪観光局会長)は「地元の経済発展に貢献することが(誘致の)大前提。ギャンブル依存症などの社会不安は、国などがきちんと払拭(ふっしょく)してほしい」と述べた。(辻森尚仁)