昨年12月に大阪府市IR推進局が公募していた、大阪IR計画の事業化に関するアドバイザーに英系コンサルティングファームのPwCコンサルティング合同会社が選出された。この公募には3社が参加していた。PwC社はロンドンを拠点に世界158カ国に展開するする世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるプライスウォーターハウスクーパースの日本法人。デロイト トウシュ トーマツ、KPMG、EYと並ぶ世界4大総合コンサルティングファーム(Big 4)とされる。
今後、PwC社は大阪・夢洲でのIR立地の前提となる開発条件・事業実施条件・公募プロセス等の検討や、IR事業者の公募・選定、契約締結に至るまでの一貫したアドバイザリー業務を支援する。同社の寺田氏はフィリピンの日系大型IRの開発の指揮をとったことでも知られています。
カジノを含む観光拠点整備のアドバイザーを選定、大阪府・大阪市
大阪府と大阪市は、大阪IR(Integrated Resort、カジノを含む統合型リゾート)の事業化に関するアドバイザリー業務の公募型プロポーザルで、PwC大阪IR共同企業体(代表構成員はPwCコンサルティング、構成員はPwCアドバイザリー)を最優秀提案者に決定した。2月21日に発表した。提案金額は公募の上限3億7720万1000円(税込)に対し、3億7719万5225円。応募3者から選ばれた。
大阪府・大阪市は、臨海部に位置する夢洲(ゆめしま)の広大な土地を新たな国際観光拠点とするため、核となるIRの誘致を目指している。2017年8月には「夢洲まちづくり構想」および「大阪IR基本構想(案)・中間骨子」をまとめた。今後、国による法整備に合わせ、IR事業者選定に向けた検討や手続きを進める計画だ。
プロポーザルの対象となった業務は、これらの構想を踏まえ、
- 事業化検討支援(前提条件・基本的事項の整理、大阪IRの事業環境・潜在市場規模の調査・分析、開発条件・事業実施条件の基礎検討など)
- 事業設計支援(開発条件・事業実施条件、応募条件・事業枠組、契約条件、公募プロセス・審査基準及び事業性などの検討、府市財政への影響分析、市場調査など)
- 公募準備支援
- 公募手続支援
- 契約交渉等支援
について、金融・財務・法務・技術面などの専門知識・ノウハウを活用し業務支援を行う。
最優秀提案者は、国内にまだ事例のないIRの事業化に対し、海外での制度設計・事業者公募・ゲーミング規制などについて知見やアドバイザリー実績を持つ担当者を複数配置した点が高く評価された。事業期間は契約締結日から2021年2月26日まで。IRの開業は24年度を目指している。