日本IRのカジノ、対ハウス形式のゲームに限定?ポーカーは議論へ
カジノ制度 種類限定 バカラOK、競馬NG、ポーカー?
政府は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備で、提供されるゲームの種類を限定する方針だ。偶然の要素が大きいルーレットやバカラなどに限ることで、事業者の管理を徹底したい考え。ただ、この方針に沿うと、人気の高いポーカーが除外されることになり、業界関係者からは「集客力が失われる」と懸念の声が出ている。規制と集客のどちらを優先させるか。ポーカーの扱いが焦点となっている。
政府の有識者会議は先月31日にIR制度に関する大枠の方針を取りまとめ、公表した。それによると、ゲームの範囲は、事業者が公正な実施を確保できる▽施設内でのみ実施▽偶然の勝負に関し参加者が賭けを行う「賭博」--に限定するとした。
方針の通りなら、ルーレットやブラックジャック、バカラなどは認められる一方、顧客が直接、競い合うポーカーや賭けマージャン、賭け将棋などは除外される。他者が実施する競技を賭けの対象とすることも認めない方向で、スポーツ競技を賭けの対象とする「スポーツベッティング」、競馬、競輪なども除かれる。
顧客同士による賭けを除くのは、事業者の管理できない余地があると、犯罪につながる可能性が高まるためだ。
ただ、ポーカーはルーレットと並びカジノの代名詞とも言える存在。世界各地のカジノ事情に詳しい日本カジノスクールの大岩根成悦校長は「頭脳勝負で人に勝つ優越感を味わえるのがポーカーの魅力。世界的に人気が高く施設全体への集客効果も大きい」と強調。「勝ち負けが明白でお金の流れを管理しやすい」と語り、事業者管理が難しいとの指摘は当たらないと主張する。
また、日本人で初めてポーカーの世界大会で優勝したプロの木原直哉さん(36)は、「ポーカーがあるからカジノに行く人も多い。日本のIRで大会が開かれれば、観光との相乗効果でかなりの人数が世界中から集まる」と話す。
政府関係者によると、有識者会議の一部の委員は、集客が見込めることを理由にポーカーについては方針の例外とするよう主張しているという。
政府は秋の臨時国会にIR実施法案を提出する予定だが、どのゲームを認めるかの最終決定は、内閣府の外局として新設予定の監督機関「カジノ管理委員会」が判断する見通し。今月17日から地方自治体や事業者を対象に全国計9カ所で説明・公聴会を開く。【松倉佑輔】
(元記事)https://mainichi.jp/articles/20170812/k00/00e/040/219000c