東京五輪後の築地市場跡地の再開発にMICE案が浮上している。しかし、国際会議場・展示場などのMICE整備だけではコスト面でのリスクも高く、IRとのパッケージ案も充分考えられる。
今月中にも素案が公表され、3月までに再開発方針が決まる予定。
築地市場跡に国際会議・展示場 都が五輪後に再開発方針
旧築地市場(東京都中央区)跡地について、都が国際会議場・展示場(MICE施設)や交流施設を核として再開発を進める方針素案を作っていたことがわかった。関係幹部らによる庁内の非公開検討会に15日提示した。都は今月下旬に素案を公表したうえで、市民の意見を募り、今年度中に方針として固める予定だ。
昨年閉場した築地市場の跡地は都有地で23ヘクタール。来年の東京五輪・パラリンピック期間中は選手らの輸送拠点として使われるが、その後の具体的な活用策は示されていなかった。
関係者によると、東京に大規模な展示場や会議場が足りないという声が上がっているという。さらにビジネスマン以外も集まる集客拠点になるよう、家族連れで楽しめる交流施設の整備も打ち出す。このほか、高級ホテル、水辺を生かした広場、レストラン、船着き場などの整備案も盛り込み、周辺の浜離宮恩賜(おんし)庭園などと連携し、年間2500万人を呼び込む目標を掲げた。都は土地を売却せず、民間事業者に長期で貸し出し、段階的に開発を進める方針だ。
築地跡地をめぐっては小池百合子都知事が2017年6月、「食のテーマパーク機能を有する新たな市場」を整備する考えを打ち出した。豊洲市場で集客施設を運営する予定の事業者が反発し、発言も後退。有識者らを交え、改めて検討を進めていた。(西村奈緒美、張守男)
(朝日新聞)asahi.com/articles/ASM1H