米IR大手の米ラスベガス・サンズ・コーポレーションは、ノンゲーミング事業部門の重要性と資金調達の資質をアピールした。サンズ社は、ラスベガス、マカオ、シンガポールで大きな成功を収めている。
カジノ大手、日本進出に虎視眈々
カジノ大手の米ラスベガス・サンズ・コーポレーション幹部は4日、東京都内で日本経済新聞の取材に応じ「世界クラスのIR(統合型リゾート)を日本に造りたい」と意気込みを語った。日本ではカジノへの抵抗感が根強いなか、併設する商業施設や展示ホールなどといった「非カジノ」を重点的にPRし、理解を求める考えだ。
同社はIRを米国など9カ所で展開。中でもシンガポールの「マリーナベイ・サンズ」は56億ドルを投じて開発、世界でも成功したIRとされる。
日本ではIRの整備に必要な関連法案の審議が衆院選のためにずれ込んでいるが、開発責任者のジョージ・タナシェヴィッチ氏は「マリーナベイを上回るような施設を造っていきたい」と強調した。その場合の投資額は一般論として100億ドルを超える可能性を示唆した。単独型では同社としては最高額となるが、こうした資金を負担できる財務体質だとした。
同社はカジノ事業が全体の3%以下、残りはホテルや展示ホール、劇場、商業施設などで占める。集客のためにはカジノ以外に世界最高水準の音楽ホールやスポーツ施設などを併設する重要性を指摘した。
ラスベガスの銃乱射事件についてタナシェヴィッチ氏は「当社は万全のセキュリティー対策を取っている」と語った。
米ハードロック・インターナショナルも日本への参入に意欲を見せる。日本では飲食のイメージが強いが、75カ国でホテルやカジノなどを大小問わず複合開発する。日本法人のエドワード・トレーシー最高経営責任者(CEO)は「規模の大小を問わずに開発できることが強みだ」と話す。
(日本経済新聞)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21889950U7A001C1TJ1000/