20日に成立したIR実施法に関連して、カジノの敷地面積や導入されるゲームなどの取り決めは政令と省令で規定される。政令とは、 政府・内閣が制定する命令で憲法および法律の実施に必要な細則を定めるもの。省令とは、国交省などの各府省の大臣がその主任する事務について発する行政上の命令のこと。
カジノ法が成立 面積、種類などは政省令
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法は二十日の参院本会議で、自民、公明の与党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。ギャンブル依存症が拡大するとして野党が反対する中、自公が採決を押し切った。立憲民主党などは内閣不信任決議案を提出したが衆院本会議で否決された。通常国会は二十二日の会期末を前に事実上閉幕した。
法律はカジノを刑法の賭博罪の適用対象から外し、解禁することが柱。IRは全国三カ所を上限に整備し、日本人から一回入場料六千円を徴収する。カジノ事業者には利用客への金銭貸し付け業務を認める。二〇二〇年代半ばにも第一弾が開業する見通しだ。
競馬などの公営ギャンブルとは別に、民間企業の賭博営業を合法化するのは初めて。カジノ営業を免許制としており、政府は今後、事業者の管理監督や、法令違反があった際の免許取り消しといった行政処分を担う「カジノ管理委員会」を新設する。
カジノを巡る詳細は今後、三百三十一項目の政令や省令、規則で定める。法律と違い政令や省令は、国会審議なしに政府の判断で改正することも可能なため、野党は「政府が白紙委任を取り付けた」と反発する。
政省令や規則で決まる内容には、国際会議場やホテルなどが複合的に設置されるIR全体に、カジノが占める面積の上限比率も含まれる。バカラなど、どのようなカジノゲームを認めるかも対象となる。
カジノ事業者が貸金業を担い、賭け金が不足した客に施設内で融資できる「特定金融業務」も可能にするが、制度設計は「カジノ管理委員会」に委ねられる。