22日、IR実施法案が衆院本会議で審議入りを果たした。今日にも重要法案の前衛となる働き方改革関連法案が衆院で採決され、その後ギャンブル依存症対策基本法案の採決へと進む。来月初旬にも両法案が衆院内閣委員会で可決されるとなれば、いよいよIR実施法案の今期成立も現実的となる。
与党は会期延長も構えているが、今後6月8日までにIR実施法案が衆院内閣委員会で可決されれば、20日会期末での成立は物理的に間に合う。第二次安倍政権はこれまでの政権と違い、なぜか野党やマスメディアのバッシングにも全く揺るがない。皮肉にもこの強靭な政治体制こそがカジノ解禁を実現させるのかもしれない。
カジノ法案が衆院審議入り 政府・与党、今国会成立狙う
カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が22日、衆院本会議で審議入りした。当面は国内3カ所を上限とし、日本人や日本に住む外国人が払う入場料は6000円とする。政府・与党は6月20日までの会期内の成立をめざす。立憲民主党などの野党はカジノ解禁に強く反発している。衆参両院の内閣委員会は審議する法案が多く、成立に向けて日程は窮屈だ。
安倍晋三首相は22日、衆院本会議で「新たなビジネスの起爆剤となり、世界に向けて日本の魅力を発信する施設で、観光や地域振興、雇用創出といった大きな効果が見込まれる。世界最高水準のカジノ規制を的確に実施する」と語った。焦点はギャンブル依存症への対策が十分かどうかだ。自民、公明両党は法案の閣議決定の前の協議で、入場料を政府原案の2000円から大きく引き上げた。カジノ認定数の上限は全国3カ所に抑え、入場回数も週3回、月10回までに限った。
与党は衆院内閣委員会で、米国を除く11カ国が署名した環太平洋経済連携協定(TPP)の新協定「TPP11」の関連法案と、議員立法のギャンブル依存症対策法案の審議を優先。両法案の可決後、IR実施法案の実質審議に入り、6月上旬の衆院通過をめざす。
ギャンブル依存症対策法案を巡り、与党は15日に日本維新の会と法案の修正で合意。維新と協力し、他の野党から国会運営が強引だと批判を受けるのを避ける狙いだ。
立憲民主党や共産党などの野党は、ギャンブル依存症の不安が拭えないとしてカジノ解禁の方針自体の撤回を求めており、徹底抗戦の構えだ。
(日本経済新聞)https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3081609022052018PP8000/